桐生祥秀に50万円の報奨金 陸上界にも“ニンジン作戦”の流れ

2018年03月31日 16時30分

表彰された桐生と土江コーチ(左)は笑顔を見せた

 陸上界が“賞金”の力を借りて日本新連発をもくろんでいる。昨年9月に男子100メートルで日本人初の9秒台を出した桐生祥秀(22=東洋大)が30日、都内で日本学生陸上競技連合から新設された「日本新記録章」を授与された。副賞には異例の50万円の報奨金がつき、土江寛裕コーチ(43)にも15万円の目録が贈られた。

 日本学連関係者はその背景をこう明かす。「報奨金を出すということが大事。やっぱり、最近はお金。もうアマチュアという言葉もなくなった。前は金銭に否定的なところがあったけど、今の時代は当たり前になってきている。こういったものを充実させてハッパをかけるということもこれからの時代、大切」

 学生は名誉が重視されるアマチュアの代表格。しかし、その“定義”を変えるきっかけとなったのが男子マラソンだ。

 日本実業団陸上競技連合が「日本記録なら1億円」とニンジンをぶら下げたところ、2月の東京マラソンで設楽悠太(26=ホンダ)が見事に日本新を樹立した。日本陸連も来季から日本記録を出した選手に支給する強化費を100万円に増額することを決めるなど、選手を取り巻く環境は急激に変化している。

 桐生は報奨金の使い道について「今は特に欲しいものはないです」と淡々と話した。9秒台を出した後、多数の表彰式に出席したことでさすがに慣れている様子だったが、一般学生にとって「50万円」は大金。文字通りの“ボーナス支給”が陸上界の底上げを促していくことになりそうだ。