「ナイキ5万5000円」特別シューズ購入権競うユニーク“走”奪戦

2018年02月05日 16時30分

購入権をかけたサバイバルレース

 超最先端ランニングシューズ「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ エリート」の購入権をトラック走で競うユニークなイベントが3日、販売元のナイキジャパンの主催により都内で行われ、ランナー垂ぜんの的を巡るサバイバルレースが繰り広げられた。

「あと1人だ! さあ粘れ――」

 MCから掛け声が飛ぶ中、熱いシューズ争奪戦が続いた。レースは購入を希望するサイズ別に行われ、各販売数と同じになるまで走者をふるい落す。周回ごとにペースを上げ、最後尾を走るペースメーカーに抜かれたら除外される。24センチは4人で1足を争い、14足が提供された27センチには最多の32人が出場。全体で約110人参加のうち43人が商品をゲットした。

「盛り上がったと思います。本当にこのシューズを履きたい人の手元に、どうやったら届くのかというところから、このイベントを考えた」(ナイキジャパン・臼井紀子マネジャー)

 3日に数量限定で発売された「エリート」は、リオ五輪男子マラソン金メダルのエリウド・キプチョゲ(33=ケニア)らに前人未到の2時間切りを実現させるべくナイキが開発した特別モデル。そのためのレースが昨年5月に行われ、キプチョゲは2時間25秒と夢の1時間台に迫った。

 航空宇宙工学を取り入れた形状や、カーボンファイバーなどの素材から「ナイキにとってのF1カーといっていい、頂点のシューズ」(別のナイキジャパン担当者)。

 これまで一部の国で限定販売され、ドイツでは99足が1時間足らずで売れたという。日本国内の販売(数量非公表)でも税別5万5000円と高額ながら購入者殺到による入手難が見込まれることに加え、「転売されるのも本意ではない」(臼井氏)。こうした状況を踏まえ、熱意の高い希望者に新たな形で購入機会を設け、かつ楽しんでもらえる企画として、レース実施に至った。

 参加者の歓声も上がるレース後、購入権を獲得した市民ランナーの男性公務員(37)は「希少価値が高い。キプチョゲが履いたものなら(5万5000円も)惜しくはない。いま履いている『4%』も徹夜して買いましたから」。レース形式による争奪戦も「はっきりしていて、いいかな」と話す。権利を得た男性会社員(22)も価格について「それほどの価値がある」と受け止める。

 東京五輪の男子マラソン期待の星・大迫傑(26=ナイキ・オレゴンプロジェクト)らトップランナーが使用する「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%」(税別2万4000円)は一般向けに広く販売されているが、ナイキファンの男性会社員(34)が「売っているのを見たことがない」と言うほどの品薄状態。

 ナイキ製品ではバスケットシューズ「エア・ジョーダン」がスニーカーとしての人気も呼び、行列ができたケースもあった。ランニングシューズでも、マラソンブームやランナーのレベル向上で高機能商品の需要が高まり、枯渇化。高度な製法と独特の素材、品質保持から大量生産は難しいとした上で、臼井氏は「エリート」以外の靴については「なるべく早く、たくさん行き渡るように頑張りたい」と話す。

 発売から一夜明けた4日、一部のフリマアプリでは「エリート」に13万円、10万円の値が付けられていた。