【世界陸上】日本に脅威!お家芸バトンパスで海外勢が猛追

2017年08月14日 16時30分

日本は世界陸上・男子400Mリレーで銅メダルを獲得した(ロイター)

【英国・ロンドン12日(日本時間13日)発】陸上世界選手権男子400メートルリレー決勝で日本(多田修平、飯塚翔太、桐生祥秀、藤光謙司)が38秒04で、世界選手権では初の表彰台となる銅メダルを獲得した。リオ五輪の銀メダルに続く快挙に、早朝の日本列島は大いに沸いたが、3年後の東京五輪を見据えれば喜んでばかりもいられない。お家芸のバトンパスで海外勢が猛追し、日本との差を急速に縮めているのだ。

 3走の桐生がアンカーの藤光にバトンをつないだ時点では4位。メダルは絶望…と思われたが、まさかのアクシデントが発生した。3位につけていたジャマイカのウサイン・ボルト(30)が直線で脚を痛めて棄権。今大会メダル1号となる劇的な幕切れは運も味方した。1走を務めた多田は「中盤もいい加速に乗れてベストな走りができた」。リオに続いてメダル獲得の桐生も「どの順番、どのメンバーであろうと自信があった」と誇らしげな表情を浮かべた。

 目を引いたのは層の厚さだ。実力者のサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)は200メートル決勝で右脚を痛めて出場を回避。さらに予選でアンカーを務めたケンブリッジ飛鳥(24=ナイキ)も不調でメンバーを外れた。それでも3位に食い込んだのは、日本がレベルアップしている証しと言える。

 一方、課題も浮き彫りとなった。リレーではバトンパスがカギ。9秒台が一人もいないにもかかわらず、リオで世界2位に上り詰めたのはバトンで大幅にタイムを縮めたことが理由だった。

 世界選手権決勝も日本は「攻めのバトンでいった」(桐生)ものの、優勝した英国にはバトンパスでも後れを取った。バトンでどれだけ時間を縮めたかは、出場した4人のシーズンベスト合計からリレーのタイムを引いた時間が指標となる。日本の2秒39に対し英国は2秒73。個々のタイムでは英国を上回ることができないだけに、これでは日本に逆転の目はない。

 今後は、英国のような国が増えることが予想される。2位の米国もバトン時に後ろを振り返るなど、まだまだ発展途上。リオ五輪の日本の結果を受け、バトンを研究する動きは世界に広がりを見せている。

 日本は3年後に向けて期待の怪物・サニブラウンを擁するとはいえ、現時点では“もろ刃の剣”だ。大会前のリレー練習ではアンカーを務めたが、3走の桐生に追い抜かれる初歩的なミスを犯している。バトンパスにおいては怪物も、さらなる努力が必要だろう。

 目標は東京五輪での金メダル獲得。日本陸連の苅部俊二コーチ(48)は「どうチームをつくるか、楽しく考えられるようになってきた」と期待を込めたが、冷静に見れば明るい材料ばかりではない。9秒台を出せるスプリンターを複数輩出すると同時に、新たな工夫が求められる。