完敗だ。大会第3日(5日=日本時間6日)、男子マラソンは代表ラストランとなった公務員ランナー・川内優輝(30=埼玉県庁)が2時間12分19秒で9位に入ったのが最高。中本健太郎(34=安川電機)は10位、井上大仁(24=MHPS)は26位に沈み、3年後の東京五輪へ荒療治が急務となった。

 20キロ過ぎにジョフリー・キルイ(24=ケニア)ら3人が飛び出すと、先頭集団後方につけていた日本勢はついていけない。川内はカーブを曲がる際に転倒。給水も取り逃した。最後は中本を抜いてゴールしたが、表彰台は遠かった。

 これで男子は2005年ヘルシンキ大会を最後にメダル獲得はなし。代表引退の川内は「悔しいが、自分の中では(力を)出し切れた。今後もばんばんマラソンを走っていくが、日本代表は責任が重いのできつい」と“有言実行”の姿勢を示し、中本も「今後どのような形で競技を続けるかわからない」と去就は不明。井上は「後半落ちてしまってどうしようもなかった」と肩を落とした。

 日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(61)は「辞める必要はない」と川内に引退撤回を迫ったが「(海外勢は)今回は二線級。勝てるチャンスはあった」と不快感を示した。

 ふがいない結果に、代表の一新は必至。ボストン・マラソン3位の大迫傑(26=ナイキ・オレゴンプロジェクト)や瀬古氏の評価の高い設楽悠太(25=Honda)らが男子マラソン再建のカギを握りそうだ。