紅白スーツの行く末は――。今後、五輪で日本選手団が着用する公式ユニホームについて議論が湧き起こりそうだ。

 24日、都内で行われた日本オリンピック委員会(JOC)理事会で、2018年平昌五輪日本選手団公式服装選定委員会のメンバーが決定した。ここで“現場の生の声”を伝えたのが、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子理事(44)。「選手たちから『せっかく素晴らしいものを作っていただくが、赤いジャケットだと長く使えない』という意見が寄せられました。いろんな考えがあっても良いと思うのでお伝えさせていただきます」と提案した。

 日本選手団が開会式で着用する公式スーツについては、毎回賛否両論あふれる。有名デザイナーが起用された時代もあったが、12年ロンドン五輪からは2大会連続で、1964年東京五輪をほうふつとさせる「赤いジャケットに白いスラックス」が式典用として採用されている。

 しかし紅白スーツはあまりに派手すぎ、結団式、開会式、壮行会といった五輪関連イベントでしか着ることはできない。着用したまま電車に乗るわけにもいかず、五輪後は袖を通す機会がほぼない。「普通のスーツがいい」という声もあったのは確かだ。

 一方で「公式ユニホームは一生に一度、記念に残るものが良い」(高田裕司理事)と、その場限りでも五輪を象徴するものが望ましいという意見もあるのは事実。平昌五輪の公式服装選定委員会には、オリンピアンも加わる予定。世界中の視線が集まる20年東京五輪に向けても、活発な議論が求められる。