リオデジャネイロ五輪に出場する陸上男子100メートルの山県亮太(24=セイコーHD)が6月30日、都内の所属先本社で代表決定の記者会見に臨み、改めて日本人初の「9秒台」と84年ぶりの「決勝進出」を目標に掲げた。

 そんな山県に対し、同社の服部真二CEO(63)は、いずれかの目標を達成した場合、特注の腕時計を支給すると表明。セイコー社の最高級品は何と5000万円もするが「それに匹敵するものになる」(同CEO)。デザインは未定ながら9秒台が出たならば、そのタイムを彫金するなどのアイデアも明かした。

 同じ男子100メートル代表に選ばれたケンブリッジ飛鳥(23=ドーム)は、日本人初の9秒台を出した場合、所属先が報奨金として1億円の支給を発表している。それに続くビッグボーナスに山県は「素晴らしいものをいただけるので、ぜひつくっていただけるように頑張りたい」と意欲を示した。

 ちなみに同代表の桐生祥秀(20=東洋大)はまだ学生のため、日本陸連や日本オリンピック委員会(JOC)から出る規定以外の特別ボーナスを受けることはなさそうだが、ケンブリッジの1億円ボーナスが話題になったときには「僕はもらえるわけではないので。いいですよね」と漏らしていたという。

 山県は会見で影響を受けた人物として棋士の羽生善治永世名人(45)の名前を挙げ「常にトップに立っている方。自分も日本のトップとして勝負哲学などを学んでいます。羽生さんはよく歩いているそうなので、自分もウオーキングをやっています」。レースの反省もウオーキング中にしているという。

 夢の9秒台に向け「手の届くところにきた。課題を一つひとつクリアすれば、タイムは縮められる」と力を込めたが、リオの大舞台で快挙を達成し、超ド級の高級腕時計をゲットする。