粘りで勝ち取った。陸上・世界選手権6日目(20日=日本時間21日、米オレゴン州)、女子5000メートル予選が行われ、田中希実(22=豊田自動織機)が2組に登場。15分00秒21で9位に入り、2大会連続の決勝進出を決めた。

 今大会800メートル、1500メートル、5000メートルの3種目にエントリー。1500メートルは日本人で初めて準決勝に進出したが、4分5秒79の2組6着に終わり、決勝進出を逃していた。この日は残り2周で先頭集団から遅れる苦しい展開を強いられたものの、最後の力を振り絞り、ファイナルへの切符をもぎとった。

 レース後には「選手のメンツを見ても前半はジョグだったと思う。私としてはその(後半の)時点で(体力的に限界が)来ていた」と世界との差を痛感。その上で「思ったよりしんどかった。気持ちを折らずに前の選手に食らい付くことできたけど、ラストに余裕がないと1500の時みたいにラストまで耐えられないというのが今日しっかり見えた。決勝に余裕を持って臨めるかどうかが課題かなと思った」と冷静に分析した。

 決勝に向けては「800が間に挟まってくる。800は初めての世界陸上なので、予選から準決勝に進むという以上に、その舞台に立てるということをまずは楽しみたい」と決意を新たにした田中。ハードスケジュールのレースでも、これまで通り〝学びの姿勢〟は健在のようだ。