新国立、エンブレムどころじゃない? 日本を元気にする会の“燃える闘魂”アントニオ猪木参院議員(72)が2020年東京五輪に緊急提言を放った。東京の記録的な暑さに「こんな暑い時になんでやるんだ?」と日程の延期を要請。暑熱対策を打ち出した下村博文文科相(61)には「バカ言うなって」と怒りを爆発させた。さらに、招致委員会が国際オリンピック委員会(IOC)に提出したコンセプトにも“重大な過失”があると指摘。その真意とは――。

 5日に行われた「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」で質問に立った猪木氏は下村文科相に単刀直入に迫った。「こんな暑さの中でオリンピックを開催する。いい記録が出ると思いますか?」。東京はこの日、統計開始以来最長記録を更新する6日連続の猛暑日。マラソン、競歩や車いす選手への影響を危惧する猪木氏は1964年東京五輪が10月に開催されたことを挙げ、日程を9月以降に変更すべきと主張した。

 これに対し、下村文科相は不安を認めつつ、5月に立ち上げた連絡会議で熱中症対策を検討していることを明かした。具体的には、(1)路面温度の上昇を抑制する道路舗装技術の活用(2)ドライ型ミスト施設の設置で、日程については「他の国際大会の日程を総合的に考えて7月から8月の間を決めている」と変更は困難との見方を示した。

 質疑応答はここでタイムアップ。もちろん、猪木氏は納得いかない表情だ。「だったら大臣アンタが走ってきなって。ランニング(シャツ)とシューズを用意してさ。現場を知らないヤツらが利権屋と絡むからこうなる」と一刀両断にした。

 猪木氏が特に問題視するのは招致委員会が作成した立候補ファイルだ。そこには7月24日~8月9日の大会期間について「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」(原文ママ)と明記されている。猪木氏は「バカ言うなって。『今日は表に出ないでください』と言っているのに、それがどうして最高のパフォーマンスを発揮できる季節なんだ」とかみついた。

 日程についても、IOC理事会の合意を条件に変更が可能なことが記されている。猪木氏は夏開催の理由を「(秋では)フットボールや野球と重なって放送できないという米国の事情」と断言し、「メーン会場を見直すなら、日にちも変えればいい」と訴えた。

「このクソ暑さの中で、『より速く、より高く、より強く』って…人命に関わりますよ」。新国立競技場の建設計画の白紙撤回にエンブレム盗作騒動と問題続きの東京五輪に、今度は燃える闘魂が投げかけた日程問題。東京五輪はどうなっていくのか?