陸上女子1500メートルと5000メートルで世界選手権(7月、米オレゴン州)代表に内定した田中希実(23=豊田自動織機)が、選考会を兼ねた日本選手権(大阪・長居)の舞台裏を語った。

 13日に大阪市内で行われた会見に出席。前日まで4日間で5レースを走った田中は「1500メートルの日の朝にすごく怖さがあって、朝練の感触もあまりよくなくてイライラしていた」と振り返る。

 そこでストレスを発散させるべく「ホテルに隣接しているカフェで朝ご飯を食べようと思って、パンケーキを選んで。甘いものをとったほうがイライラが収まるかなと思って食べた」という。すると「食べた瞬間、頬が緩んで(笑い)。その一瞬はリラックスできたので、自分の余裕をちょっとでも捻出するためにひと役買ってくれたかな」とピリついた雰囲気が和らいだエピソードを明かした。

 田中は「しっかり1500メートルの代表権を得られたこと、その上で5000メートルの代表権も得られたことが現時点では自信になっている」ときっぱり。本番に向けては「春先から自信を喪失していた分、この経験を忘れずに世界選手権では自信を持って楽しむことを完遂できるように。今回の日本選手権を上回るレースにしたい」と力を込めた。