間に合わなかった――。陸上の世界選手権(7月、米オレゴン州)代表選考会を兼ねた日本選手権初日(9日、大阪・長居)、男子100メートル準決勝は前回王者の多田修平(25=住友電工)が10秒41(無風)で決勝進出を逃した。

 3組に登場した多田は持ち味でもある序盤からの加速力が不発。無念の6着だった。

 左太もも裏を痛めて5月のセイコーゴールデンGPを欠場。〝ぶっつけ本番〟となった今大会は不本意な結果に終わった。レース後は「体が万全じゃない状態で挑んだ大会だが、こればかりは言い訳してもしょうがない。ケガを負ってでも10秒0台や世界と戦えないと意味がないと思っているのでこの結果は残念ですけど次に向けてステップアップできたら」と淡々と振り返った。

「今年は春先から全然ダメで。焦りがケガにつながったり、悪い走りのクセがついてしまっている。世界選手権は無理なので一回休んで走りを一から見直していきたい」と多田。2年後のパリ五輪に向けてしばらく充電期間を設けるつもりだ。