陸上のセイコー・ゴールデングランプリ(8日、東京・国立競技場)の男子3000メートル障害に出場する東京五輪7位入賞の三浦龍司(順大3年)は、進化した姿を披露する覚悟だ。

 昨夏の東京五輪に向けて1つのピークを合わせてきたが、その後は駅伝を踏まえながら体をつくり直してきた。今季は専門外のレースにも積極的に出場。1500メートルで日本歴代2位の好タイムをマークすると、先月29日の織田記念の5000メートルでも13分32秒42の好タイムで優勝を果たした。「練習の質を高めている最中」と謙遜したものの、スピードと持久力の向上が好結果につながっている。

 本職の3000メートル障害に出場するのは今季初。「技術的な面はこの大会を踏まえて修正し、向上させていきたい。レースを楽しむ中で自分の変化、課題を見つけていきたい」と展望を口にした上で、積極的なレースを披露すると宣言。

「最低限、8分30秒は切っていきたい。(8分)20秒台を出していくことは必要というか、ベースになると思う。明日はタイムを狙っていくし、勝負の面でもひけをとらないレースをしたい」と力強く語った。

 東京五輪は無観客開催だったものの、セイコー・ゴールデングランプリは有観客で実施される。「五輪と同じスタジアムに観客が入ってくれることに感謝したい。その喜びをかみしめながらレースをしたいし、自分の走りで勇気を与えるチャンス」。真夏の祭典から約9か月。ひと皮むけた走りで歓喜の渦をつくり上げる。