金太郎アメの逆襲だった。第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の復路が3日に行われ、順大が総合2位を勝ち取った。

 前日の往路では東京五輪3000メートル障害で7位入賞の三浦龍司(2年)を2区に投入するなど必勝を期して臨むもトップの青学大と4分4秒差の5位。巻き返しを図る中、6区の主将・牧瀬圭斗(4年)が58分22秒で区間賞を獲得した。3位まで順位を上げると、8区の津田将希(4年)も1時間4分30秒の区間賞の走りで2位に上げた順位を、後続の選手が死守。11年連続63回の出場を誇る古豪が、2007年以来となる15年ぶりのトップ3に食い込んだ。

 レース後、10区の近藤亮太(4年)は「ちょうど去年のこの日に(今年は)総合優勝しようと今の4年生で決めていたので、走りながら『悔しいな』との思いがあった。でも2位という結果はこれからの順大に大きな意味をもたらしてくれたんじゃないかと思う」と悔しさを見せながらも手応えを実感した。

 この結果にたどり着いた要因を「牧瀬がキャプテンとしての仕事を全うし、津田も区間賞を取って同じ4年生がここまでやれたなら自分もできると自信を持てた。僕ら4年生は金太郎アメと言われてきた。できるところはできて、できないところは全員できないっていう意味で、切っても切っても同じということを長門(俊介)監督から言われた。でもスター選手ばかりじゃないが、4年間続けると結果が伴ってくると体現できたと思う」と相乗効果により、上昇気流に乗ったようだ。

 長門監督はユニークな呼称について「彼らは努力して力をつけてきた。誰を走らせても変わらない力を持っている。牧瀬の走りを見て、誰かがやれたということが自信になったと思う。ただ彼らはその名を払拭したいようだけど(笑い)」と説明。一方で2位の結果に「よかったけど、来年は堂々と優勝争いをするというチームにしていきたい」と早くも今後に目を向けていた。