これぞ有言実行だ。第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の往路が2日にスタート。花の2区では駒大の主将・田沢廉(3年)が歴代4位となる1時間6分13秒で区間賞を獲得。チームをトップに押し上げた。

 俺が学生ナンバーワンランナーだ。多くは語らずとも、その背中は誰よりも大きかった。前回大会は2区でチームを15位から8位に押し上げた一方で、区間順位は7位(1時間7分27秒)。東京国際大のイエゴン・ヴィンセント(現3年)がマークした区間新記録(1時間5分49秒)には遠く及ばなかった。

 あの日から1年。「区間賞を目標に走りたい。ライバルはいないが、強いて言うならヴィンセント」。覚悟を胸に挑んだ箱根路では、ヴィンセント、青学大の近藤幸太郎(3年)など、各校のエースがそろう中でも、圧巻の走りを披露。「去年はずっといっぱいいっぱいの走りをしていたが、今年はラスト1キロがキツかったけど、1年を振り返って強くなったなと感じた」と手応えを口にした。

 駒大の2区区間賞は大八木弘明監督以来、36年ぶりの快挙。「後続の選手を少しでもリラックスさせようと、自分が1秒でも速く前に(タスキを)渡そうと思った。監督も走る前に『2区で区間賞をとったんだぞ』と話していたので、それ以来と言われて、本当にうれしかった」と声を弾ませた。

 今後は世界への挑戦も視野に入れている。「今年は自分個人としても世界陸上があるので、まだ(出場が)決まったわけではないが、それに向けて頑張っていきたい」。箱根駅伝での経験を胸に、駒大のエースが世界に羽ばたく。