第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で2連覇の期待がかかる駒大の主将・田沢廉(3年)が自身のリーダー論を明かした。

 今月上旬に1万メートルで日本歴代2位となる27分23秒44をマークするなど、日本屈指のランナーに成長。前回大会終了後からは下級生ながら主将としてチームをけん引してきた一方で、16日のオンライン取材では「最初の方は主将として何をやっていいのか全く分からなかった。そういった中でいろんな問題が起きて、キツかった」と苦悩を告白。チームをまとめ上げるのに多くの苦労を伴ったという。

 そんな時に救いの手を差し伸べてくれたのが卒業した先輩たちだった。「励ましの言葉だったり、ここをこうしたらうまくいくんじゃないの?とか言ってもらった」。連絡やアドバイスをもらいながら、自身の主将像を考えた。

 自問自答を繰り返す上で、チーム全体の〝考える力〟の向上を目指した。「自分で考えた力は本当の力になると思っていた。あえて答えを言わずに、サポートするというか、答えを言わずに補助するような言葉を言って、本人に答えを導いてもらって、本当の力を付けてほしいとの思いでやってきた」。出雲駅伝は5位に終わったものの、全日本大学駅伝では2連覇を達成。田沢イズムを各選手に浸透させた。

 1年間チームのために尽力してきたが、当然個人の結果にもこだわりを持っている。「どの区間を任されても区間賞を目標に走りたい」。今回はいったいどんな走りで驚かせてくれるのだろうか。