これが俺の走りだ! 東京パラリンピック・陸上競技(27日、国立競技場)、男子400メートル(T52)決勝が行われ、佐藤友祈(31=モリサワ)が大会新記録の55秒39で金メダルを獲得した。

 前回のリオ大会では2種目で銀メダルに輝いたが、金メダルはなし。その悔しさから「東京大会で世界記録を更新して金メダルを獲得する」と、リオ大会後に長期プランを策定。練習メニューはもちろん、当時の所属先と相談し、練習時間の確保にも取り組んだ。

 新型コロナウイルス禍で東京大会が1年延期となっても「モチベーションがガクンと下がったりすることはなかった」と気持ちのブレは一切なし。1月には「独立するってことは、不安定になるってことだが、そんな中でも自分が活躍することによって、より多くの人に何か感じてもらえたら」とプロ転向を表明し、日々練習に励んできた。

 その成果を大舞台で十二分に発揮。苦手のスタートで飛び出すと、得意の後半でレーモンド・マーティン(米国)を逆転し、先頭でフィニッシュ。有言実行の金メダルに輝いたが「世界記録にあとちょっと足りなかった。パラリンピックレコードは更新することができたので、次の(3年後の)パリ大会で400メートルの世界記録更新と金メダル獲得っていうのを達成したい」と満足する様子は見られなかった。

 ただ、佐藤は29日の1500メートルにも出場予定。「そこではしっかり世界新記録と金メダルを取りに行く」。今度こそダブル快挙を成し遂げてみせる。