エスビー廃部で瀬古氏が恐れる負の連鎖

2012年09月02日 12時00分

 エスビー食品が、経営の合理化を理由に同社陸上部を来年3月で廃部にすると発表。陸上界に衝撃が走った。

 

 同社で選手、監督として活躍し、現在はスポーツ推進局の瀬古利彦局長(56)は「30年以上エスビーに支援してもらい、感謝している。寂しいが、会社の経営環境を考えるとやむを得ないのかなと思う」と話した。

 

 エスビー食品陸上部は1954年に創部。瀬古氏が数々のマラソン大会で優勝し、84年からは全日本実業団対抗駅伝で4連覇するなど、輝かしい成績を残した。しかし、最近は目立った成績が残せなかった。

 

 ただ、他の実業団チームも余裕があるわけではなく、深刻な状況は同社に限ったことではない。特に陸上長距離は、無職ランナーから五輪切符をつかんだ藤原新(30=ミキハウス)や公務員ランナーの川内優輝(25=埼玉県庁)ら実業団に属さない人気ランナーたちが、さまざまな形で資金を捻出しながら活動。社会の共感を得ながら、結果も出している。そんな状況だけに、広告効果を考えるだけなら、企業スポーツは決して効率がいいとはいえないのだ。

 

 このため、瀬古氏は「ほかにも伝染しなければいいのですが」。今回の影響で“連鎖廃部”につながる可能性もあると懸念している。

 

 今後は、瀬古氏を中心にチーム、スタッフ12人を揃って受け入れてくれる移籍先を探す。「新しいところでも、エスビー魂を受け継いでいきたい」と前向きに話したが、簡単ではなさそうだ。