東京五輪の陸上男子マラソン(8日、札幌)に現役最後のレースとして臨んだ前日本記録保持者の大迫傑(30=ナイキ)は、2時間10分41秒で6位入賞を果たした。日本勢の入賞は2012年ロンドン五輪6位の中本健太郎以来となった。金メダルのエリウド・キプチョゲ(ケニア)が2連覇を達成した。

 先頭集団から遅れた後、30キロ過ぎには8位まで順位を下げたが、そこから粘りを見せた。6位まで順位を上げ、さらなる上位をうかがったが、そのまま6位でフィニッシュ。レース後の大迫は「最後キツくて、6番に上がったところで前を追ってみたが、ラップが縮まらなかった。6番で粘り切ろうと思って走り切った」と振り返った。その上で「100点満点の走りができた。こういう状況だったが、テレビの前でも応援してくれて非常に力になった」と応援に感謝した。

 今回は現役最後のレースとして臨んだ。今後については、こみ上げる涙をタオルで拭いながら語った。「(現役時代は)まっすぐ進んできたし、競技以外でもまっすぐ進んでいきたい。次の世代につながるように、まだまだ陸上界に関わりたいので、しっかりまっすぐ進んでいきたい。次の世代の人が頑張れば、この6位からメダル争いに絡めると思う」。今後は指導者として五輪のメダリスト育成が期待される。