6日早朝に札幌でスタートした東京五輪の男子50キロ競歩で、世界記録保持者で2017年の世界選手権覇者、ヨアン・ディニ(フランス)がトイレ探しで時間をロスして順位を下げるアクシデントがあった。

 ディニはレース序盤、羅亜東(中国)とともに第2集団を引き離していたが5キロ過ぎ、ペースを落として異なる方向へ歩いた。トイレの場所が分からない様子で、このアクシデントにより10キロ地点で50番手以降に落ちた。体調を崩していたのか、それ以前にもトイレを使用。計2度のトイレロスから25キロ地点で10番手台まで戻したが、立ち止まる場面を繰り返し、30キロ手前で棄権した。
 
 テレビ中継ではディニが立ち止まり、レース継続か否かが注目されたところで現場から「走りだしました」の一報が。競歩だけに、「走った」のならレース断念を意味する。解説者もそこが気になったのか、「歩き」ではないのか確認する一幕も。リポーターもうっかり言い間違えたのか、結局、「歩きだした」となるハプニングも起きた。

 現在43歳のディニが14年に樹立した世界記録は3時間32分33秒。過酷な長丁場のロードレースで〝トイレ・イン〟は珍事ではないのかもしれないが、ネット上では「トイレタイムあるのか」「初めて知った」と盛り上がっていた。