陸上の東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権第2日(25日、大阪・長居)、男子100メートル決勝は多田修平(25=住友電工)が10秒15(追い風0・2メートル)で初優勝を果たし、五輪出場を決めた。

 悲願のタイトルだ。多田は低い姿勢でスタートから前に出ると、山県亮太(29=セイコー)との先頭争いになり、後半でトップに立ってそのまま逃げ切った。

 レース後は思わず感情がこみ上げ「なかなか自分が1位になるということが近年少なかったので、本当にすごいうれしいです」と率直な感想を語った。

「春先は調子が悪かった」としつつ、5月の五輪テスト大会では優勝したジャスティン・ガトリン(39=米国)に100分の2秒差の2位。今月6日の布勢スプリントは山県が日本記録を更新したレースで、10秒01をマークして五輪の参加標準記録(10秒05)をクリアしていた。

 大会前から眠れない日々が続いていたようだが、前日24日に25歳の誕生日を迎え、地元・大阪で最高の結果を手にした多田。大舞台に向けて「この決勝の走りでは世界のトップ選手には勝てない。もっと地力をアップして五輪のファイナリストになりたい」と力強く語った。