東京五輪で最も注目を集めるスター軍団の米国陸上代表チームが千葉での事前合宿の中止を決定し、海外では〝辞退ドミノ〟が起きると波紋を呼んでいる。

 千葉県は12日、東京五輪の米国陸上代表など4か国5競技のチームによる事前合宿が中止になったと発表した。米国陸連は中止の理由について「新型コロナウイルスの世界的流行が続き、今後も感染収束の見通しが立たない中で選手の安全面に関して懸念が生じる」と説明したという。

 米国の陸上代表チームは、9日の東京五輪テスト大会の男子100メートルを制したジャスティン・ガトリン(39)をはじめとした花形競技で多くのメダル候補を抱える五輪の〝主役〟。本番に向けて最も重要な調整の場となる現地での直前合宿を放棄したことで、海外メディアは東京五輪の中止を決定づける流れが起きると一斉に報じた。

 老舗の英紙「スコッツマン」は「米国の陸上代表チームは、新型コロナの懸念を理由に日本での五輪直前のトレーニングキャンプを中止した。〝ドミノ倒し〟を恐れる主催者にとって、米国チームの動きは大きな打撃となるだろう」と指摘。五輪において最も大きな影響力を持つ米国による五輪ボイコットが現実味を帯びてきて、今後は辞退がドミノ倒しのように続出すると指摘した。ジャーナリストのジェシー・ジョンソン氏も自身のツイッター上で「(五輪)崩壊へのドミノになる」と鋭く切り込んだ。

 主役による大会辞退につながる動きで、いよいよ東京五輪が崖っ縁に追い込まれた。