まさかの結果に終わった。陸上の東京五輪テスト大会(9日、国立競技場)、男子100メートル予選に出場した桐生祥秀(25=日本生命)がフライングにより失格。「叫びたいくらい悔しい」と唇をかんだ。

 先月29日に行われた織田記念国際(エディオンスタジアム広島)の決勝では10秒30で3位に終わった桐生。この日は「感覚的によかった。冬からの疲れも抜けて、調子が上がってきた」とタイムを狙いにいったが「急ぎ過ぎた。しっかり(スタート合図の)音を聞いて出ようとしたけど、それ以上にもう一歩先に行くのが速過ぎた」と反省点を口にした。

 2017年世界選手権同種目金メダルのジャスティン・ガトリン(39=米国)との対戦も幻に終わり「これは自分のミス。やってはいけないこと。せっかくガトリン選手らと走れる機会に、走ることすらできなかった。自分を責めたい」と顔をしかめた。

 とはいえ、この日が東京五輪のレースではなかったことが不幸中の幸い。「1つのミスをどう生かすか。今日は自分自身を責めるが、プラスがないと次に進めたいので、ここからどうするか相談していきたい」と気持ちを切り替えた。

 本番までは残り2か月半。悔しさをバネに、さらなるレベルアップを目指す。