陸上の東京五輪テスト大会(9日、国立)に出場する選手らが8日、オンラインで会見を行い、ワクチン接種に言及した。

 国際オリンピック委員会(IOC)は6日、東京五輪・パラリンピックに参加する各国、地域の選手団に向け、米製薬会社大手ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを無償で提供すると発表。

 この判断にさまざまな意見が聞かれる中、女子1万メートルで東京五輪代表の新谷仁美(33=積水化学)は「個人の意見だが、どの命に対しても、大きい、小さいは全くない。アスリート、五輪選手だけがというのはおかしな話。優先順位をつけること自体がおかしい話。どの命も守らないといけない。平等に考えていただきたい」と述べた。

 かねてIOC側は「義務ではないが、安全最優先な大会開催に寄与するものとして、アスリートなどの大会関係者へのワクチン接種を奨励する」との見解を示しているが「自分が打たないことで他の人に危険が及ぶのであれば打つ。打ったことでの症状は異なっているので、正直なところ恐怖もある」と本音を吐露した上で「症状がどう出るかは分からないので、打ちたくないなという気持ちはあります」と複雑な心境を明かした。

 他にも女子100メートル障害日本記録保持者の寺田明日香(31=ジャパンクリエイト)は「感染の不安を与えてしまったり、負担を強いてしまうことにつながるので、ワクチンに関しては打つ必要性があると考えている」とコメント。女子5000メートルで東京五輪代表の田中希実(21=豊田自動織機TC)は「私個人としてはまだ少し怖いかなというのがある」と話した。