日本陸上競技連盟の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(64)が東京五輪代表選手の相次ぐ不調を心配している。瀬古氏は9日に「びわ湖毎日マラソン」(28日、滋賀・皇子山陸上競技場発着)のリモート会見に出席。大会に出場する東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾(28=富士通)について「(元日の)ニューイヤー駅伝後、体調を崩して万全ではない。あまり過度な期待はしないでほしい」と異例の要請をした。

 他の代表選手では、服部勇馬(27=トヨタ自動車)は、昨年12月の福岡国際マラソンをケガで欠場。先月31日の大阪国際女子マラソンに出場した一山麻緒(23=ワコール)と前田穂南(24=天満屋)も万全の状態で臨めず、期待された日本記録更新はならなかった。

 瀬古氏は「五輪が1年延期になって緊張感が続いて目に見えない疲れもあると思う。そこにコロナがきて走ること以外でストレスを発散できない。ただ、まだ五輪まで半年あるのでやり直すことができる」と分析。選手たちは、本番までに万全な状態を取り戻せるか。