日本パラ陸上競技選手権(5日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)、男子やり投げ(F46)は、山崎晃裕(24=順大職)が6投目で60メートル09センチをマークし、優勝を果たした。

 一回りも二回りも大きくなって帰ってきた。昨年の世界選手権では7位に終わり、東京パラリンピックの内定を逃した。「一度もあのことを忘れたことはない」。コロナ禍で東京パラリンピックの延期が決まっても「中止になっていないので、心が落ちることはなかった。もう1年強くなるための時間をもらった」と、悔しさをバネに練習に励んできた。

 そんな鍛錬が身を結び、見事60メートルの大台に乗せた。競技後には「60メートルは一つの重要なラインと分かっていたので、よかったのかなと思う。ほぼ目標に近い記録だった」と納得の表情を浮かべた。

 ただ、満足はしておらず「まだ途中だが、助走スピードをもう少し上げて、持ち味を生かせたらまだまだ記録は伸びると思う」と気合は十分だ。

「金メダルを取ることが目標」と意気込む若武者は、空白の時間を使い、さらなるレベルアップを目指す。