日本パラ陸上競技選手権が5日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で開幕。女子走り幅跳び(T11)では、東京パラリンピック代表に内定している高田千明(35=ほけんの窓口)が4メートル46センチを記録し、優勝を果たした。

「もはやマイナス点に近いです」と苦笑いを浮かべつつ、その表情には充実感があふれていた。コロナ禍で4月上旬から約1か月半、まともな練習ができなかったものの、しっかりと課題を持ってこの一戦に挑んでいたからだ。

「大会の直前の練習は、助走が左にそれてしまって、ほとんど踏み切りの体勢に入れなかった。まずはスピードを落とさずに、まっすぐ踏み切りの体勢に入ることを目標にしていた」という。

 30度を超える猛暑の中、6回の跳躍を終えた高田は、この日のテーマにしていた踏み切りについて「今回はできた」と満面の笑みを浮かべた。しかし「スピードに乗っている分、姿勢や空中動作っていうのがバラバラになっていて、かみ合っていなかったので、記録ができなかった」と反省点も口にした。

 久々の公式戦で収穫はあった。同時に課題を見つけ、高田は1年後に控える東京パラリンピックでのメダル獲得へ、新たな一歩を踏み出した。