陸上男子100メートルで日本初の9秒台を記録した桐生祥秀(24=日本生命)が1日、今季初戦となった北鹿スプリント(山梨・富士北麓公園)決勝で10秒04(追い風1・4メートル)をマークした。

 スタートから勢いよく前に出た桐生はそのまま加速を続け、後半に入っても他の選手を寄せつけることなく1位でフィニッシュ。「(冬場からやってきたことで)スタートの部分は8~9割できたかなと。でも、中盤からもっとスピードに乗れる部分があると思う」と自己分析した。

 今後は「セイコーゴールデングランプリ」(23日、国立競技場)に出場予定で「旧国立競技場での思い出があまりないので、新国立ができて、これから先の思い出になればいいと思う。その思い出になるために、しっかり結果を残していきたい」と話す。

 同大会には自己ベスト9秒98の小池祐貴(25=住友電工)、昨年の世界選手権400メートルリレー銅メダルに貢献した多田修平(24=住友電工)の他に、山県亮太(28=セイコー)、ケンブリッジ飛鳥(27=ナイキ)らが集結。これには桐生も「単純にうれしい。しっかり勝負して無観客だけど盛り上げていきたい」と、真剣勝負を心待ちにしている。

「今季はレースが何本あるか分からないので、集中する意味でも1本集中してタイムを出す」と意気込む24歳が国立で新たな歴史をつくるのか。