【陸上】世界陸連会長が警告 コロナ蔓延でもドーピング検査は徹底

2020年04月24日 11時00分

セバスチャン・コー会長(ロイター)

【どうなる?東京五輪・パラリンピック 緊急連載(24)】 こんな事態でも“休眠”しない。新型コロナウイルス感染拡大で東京五輪は1年延期となり、多くのトップ選手が自宅待機となる中、世界陸連のセバスチャン・コー会長(63)は各メディアを通じ「今、ドーピングのフリーゾーン(規制範囲外)にいると考えるな」と警告を発した。

 緊急事態宣言後も監視の目は光っている。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の浅川伸事務局長(50)は本紙に「どんな状況でもトップレベルのアスリートはドーピング検査の対象になります」とし、実情をこう説明する。「この状況で検査というのは社会通念として問題あるとは思いますが、組織やルールの性質上、私たちの立場から『今はドーピング検査が全く行われません』というメッセージは発信しづらい。誤認識を与えるリスクがあるのです」

 政府による隔離やロックダウン(都市封鎖)がない限り、反ドーピング体制は維持。日本に数百人いる対象選手は四半期(3か月)ごとに居場所の提出義務があり、仮に自宅待機中に1日だけ実家に帰るとしても情報を上書きしなければならない。これに浅川事務局長は「クリーンなアスリートを守るという世界的な課題意識と五輪ホスト国としての責務です」と語気を強める。

 その上で「ルールは徹底して性悪説に立ってつくられています。最近では水泳選手が血液の試験管を割って阻止したり、過去の五輪でも多くの違反者が出ている。常に悪意を持ってスポーツに向き合うアスリートがいるという前提です。公正な競技環境が担保されて、はじめてスポーツと言えますので」。

 コロナ禍にあっても例外はない。この理念が悪事への抑止力となり、トップアスリートを守ることになる。