日本陸連は19日、都内で理事会を開き、東京五輪の100メートル、200メートルの代表選考基準について1種目に制限する要項を盛り込まないことを決めた。

 金メダル獲得が期待される男子400メートルリレーに出場する選手の負担を軽減させるため、陸連は昨年12月の理事会で「原則1種目のみ」を提案していた。だが、現場サイドと意見交換するなど検討した結果、麻場一徳強化委員長(59)は「競技者の立場を尊重しながら双方でいいものをつくるというスタンスとは違うものになった」と要項に入れなかった理由を説明した。

 一方、100メートル代表選手は400メートルリレーのメンバーに入れなければならないことと、これまで6人だったメンバーが東京五輪から5人になることで陸連側は補足事項として「100メートル代表選手についてはリレー準備のために強化委員会が計画し、参加を求めた遠征、競技会及び合宿に参加した者の中から選考するものとする」と表記。麻場強化委員長は「代表が決まる前から意識してリレーの準備に参加してくださいということ。代表を目指す選手にはこの条件を意識してほしいというメッセージ」と語った。