競歩の男女20キロ五輪代表最終選考会を兼ねる「全日本競歩能美大会」(15日、石川・能美市)に出場する有力選手が14日、石川・小松市内のホテルで会見を行った。

 昨年のドーハ世界選手権で金メダルを獲得し、すでに男子50キロの五輪切符を手にしている鈴木雄介(32=富士通)は、調整を兼ねて出場することになった。当初、考えていた全日本輪島大会(4月12日、石川・輪島市)が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で縮小。出場予定だった10キロが中止となったため、2週間前に急きょ今大会の出場を決めたという。「準備不足は否めないが、しっかり歩き切って刺激を入れる気持ち」と出場の狙いを明かした。

 出身地である能美市でのレースとということで「地元の方々に満足してもらえる歩きはできないかもしれないが、ベストを尽くす姿は見せたい」と静かに闘志を燃やした。

 今大会で日本人最上位に入れば、20キロでも代表入りすることになるが「万が一、内定を得られたら迷うが、やはり50キロで出るのが私にとっても日本チームにとってもベストなのかな」と“自分の土俵”での戦いに専念する意思を見せた。

 コロナ禍で五輪開催自体も危ぶまれているが「私たち選手がコントロールできるところではない。予定通りあるという気持ちで臨んでいる」と変わらず歩み続けるつもりだ。