【東京マラソン】海外選手が漏らした未知の恐怖

2020年02月29日 16時40分

エチオピア勢の(左から)レゲセ、ゲタネ・モラ、レマはどこか不安げ…

 新型コロナウイルスの感染拡大でエリートランナーのみが出場する「東京マラソン」が、緊迫した雰囲気の中で3月1日に開催される。東京五輪男子代表の残り1枠を争うマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ第2戦を兼ねており、ハイレベルなレースに期待が高まる一方で、海外ランナーたちは“未知のウイルス”に恐怖心を隠せない。さらに当日の運営には一抹の不安も…。いろいろな意味で注目を集めるが、無事にフィニッシュとなるのだろうか。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催そのものに賛否が起こった東京マラソンだが、約3万8000人の一般ランナーの参加を取りやめるなど大幅な規模縮小でレース当日を迎えようとしている。また、東京五輪の残り1枚の切符をかけた注目のレースで、日本記録保持者の大迫傑(28=ナイキ)、前日本記録保持者の設楽悠太(28=ホンダ)、井上大仁(27=MHPS)らトップ選手の激突を楽しみにしているファンは数多い。

 だが、海外勢は気が気でない様子だ。昨年覇者のビルハヌ・レゲセ(25=エチオピア)は「この病気は世界中を心配させている。これは神に守ってもらうしかなく、自分ではどうすることもできない」と話し、シサイ・レマ(29=同)は「人類を滅ぼしてしまうかもしれない病。コントロールすることはできないし、どこに病があるのか知ることもできない」と感染拡大に大きな不安を募らせている。

 それでも主催の東京マラソン財団によれば、リスク回避は十分見込めるという。一般ランナーの番号確認が不要になったことで、スタートとゴール地点に配置予定だった警備員数を削減し、必要以上の“濃厚接触”を防ぐことができる。さらに財団担当者は「エリートレースだけになったので、警視庁と調整して交通規制の時間も短くなりました」と明かした。一方で、公式サイトには「今大会については、沿道での応援はお控えいただき、テレビ・ラジオを通じて選手の応援にご協力ください」とのコメントが掲載された。しかし実際、道行く人がトップ選手たちの激走に立ち止まって声援を送った場合、どうするのか? マラソン関係者は「その時の状況によるとしか言えないのでは…」。具体的な対策は決まっていないようなのだ。

 別の関係者は「こういう状況に今までになったことがないので、どうなるのか分からない部分もある。ただ、これまでと同じように警備態勢をしっかりしていく」と話しており、“手探り感”は否めない。新型コロナ禍にある日本にやってきてくれた外国人ランナーたちの不安が、的中しないことを祈るばかりだ。