陸上の男子100メートルで日本初の9秒台をマークした桐生祥秀(24=日本生命)が20日、合宿先のオーストラリアに向けて成田空港から出発した。

 気温が高い現地で、スピードに重点を置いたトレーニングを予定している桐生は「昨季からやってきたトップスピードでまだ足りないところがあったので、今年はそこを上げていきたい」と意気込んだ。これまで国内では筋力トレーニングや食事改善などで体重アップを図ってきた。その結果、当初の予定通り2キロの増量で体重72キロとなり「今の筋力と体重をどうやって使うか」が大きなテーマになりそうだ。

 そんな桐生は「朝からキツイものはない」と話し、朝食からカレーや焼きそばといった炭水化物、肉の炒め物やしゃぶしゃぶ風のたんぱく質をしっかり摂取して増量に成功したという。また、体感については「まだキレキレではない。この時期にキレキレだったら、それこそ夏にガス欠になってしまう。今のところはぼちぼちかな」と自己分析した。

 来月20日にはブリスベンで開催される競技会に出場予定だが「試合メインというよりも練習したことを確認するための試合」と位置付けており、東京五輪に向けて「今回の合宿で『今季行ける』という手応えを見つけられたら」と力強く語った。