競歩の五輪代表選考会を兼ねた日本選手権男女20キロが16日、兵庫・神戸市六甲アイランド甲南大学周辺公認コースで行われ、昨年のドーハ世界選手権20キロで金メダルを獲得した山西利和(24=愛知製鋼)が優勝し、初の日本一になった。

 圧巻のレースだった。札幌の五輪会場と同じ、一周1キロの周回コース。折り返しの回数や審判の前を通る数が多いため、各選手がフォームを意識せざるを得ない展開の中、積極的にレースを引っ張っていく。

 11キロ過ぎに飛び出して単独トップに立つと、6連覇&五輪切符を狙い追いすがる高橋英輝(27=富士通)を振り切り、最後は完全独歩状態でゴールテープを切った。

 すでに五輪に内定している山西は「このメンバー、このレースで勝ちたいという気持ちだった」と振り返るも「(飛び出して)そのまま差を広げられなかったのは自分の弱さ」と反省の弁。五輪に向けては「力はついてきていると思うので、金メダルはもちろん、自分の理想に向かってトレーニングを積んでいければ」と先を見据えた。

 一方、女子は岡田久美子(28=ビックカメラ)が6連覇して五輪内定。「気負っていい動きができなかったが、それこそが選考レースと実感しながら歩いた。今のままでは難しいと思うが、五輪でメダルを取れるよう頑張りたい」と笑顔を見せた。