【箱根駅伝】青学大会新でV奪還 陸上界でも”原提言”

2020年01月04日 16時30分

原監督は右手を広げて「5度目の優勝」をアピールした

 名将が緊急提言だ。第96回東京箱根間往復大学駅伝(2、3日)で、青山学院大が10時間45分23秒の大会新記録で2年ぶり5度目の総合優勝を果たした。「やっぱり大作戦」が見事に的中した原晋監督(52)は「やっぱり指数500%。大成功ですね」と喜びに浸ったが、箱根駅伝の現状には違和感を抱いている。かねて「箱根駅伝の全国化」を訴える名将が、本紙直撃に“3大改革案”をぶち上げた。

 総合5連覇を目指した昨年は東海大に敗れて2位に終わった。原監督は「昨年負けたので(自身の)活動自体を批判する人もいたと聞いている」と振り返る。それでも「他競技に負けない組織づくりを追求していくためには、やはり勝たないといけない思いがあった」と見事、意地のリベンジに成功。「今までの陸上界と真逆のことをやって(昨年は)負けたが、間違っていないことを貫き通せて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 原監督が周囲から批判を浴びても、精力的に活動し続けるのは「陸上界を発展させたい」という目標があるからだ。地方大学が参加することで地方の活性化につながるとして、かねて「箱根駅伝の全国化」を訴えてきた。現状では進展が見られない中で、どう改革を実現させるのか。ポイントは3つあるという。

 1つ目は、箱根駅伝を運営する関東学生陸上競技連盟(関東学連)の運営方針の変更だ。原監督は以前から「大学の派閥のしがらみの中で運営するべきではない」と主張しており「関東学連が主催者ですから、英断を下せるか。他競技団体に負けないように、考えられる人が役員にいること」と再編を求めた。

 2つ目は世論の形成。「地方で箱根駅伝に出るってなると、地方の大学に行って、そのまま地方に就職できて、地方に若者が増える構図ができるのでは」と考えており「地方の『ふるさと創生』に、箱根駅伝コンテンツは絶対に欠かせないもの。我が故郷からも箱根に出したいよ、出たいねっていった空気を地方からどんどんつくるべき」と地方から声を上げてくれることを望んでいる。

 最後は「スポーツ特区」の設置だ。「日本の甲子園(高校野球)と箱根駅伝っていうのは、政府がスポーツ特区と位置づけて、ふるさと創生とからめた形で、あるいはスポーツビジネスとからめた形で、政府を挙げてつくり上げていく。そういうふうな仕掛けが必要かもしれない」。日本中が熱狂するイベントには、政治や行政が関わっての“大仕掛け”を施し、確固とした仕組みをつくり上げることが必要だという。

 もちろんこれにより、陸上の価値も高まることになる。原監督は「(箱根駅伝の)全国化は陸上界の発展につながるんですよ。じゃないと、陸上界の未来はないんです」とまで言い切る。結果を出し続けることで持論の正しさを証明してきただけに、発言に一切ブレはない。

 プロ野球では昨年、巨人の原辰徳監督(61)がFA制度の人的補償撤廃などを提言して話題を呼んだ。競技が違うとはいえ、同じ「原監督」からの提言に、陸上界もそろそろ耳を傾けるべきかもしれない。