9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を制し、東京五輪男子マラソン代表に内定した中村匠吾(27=富士通)が12日、千葉県内で練習を公開した。

 MGC終了後は約4週間休暇を取り、心と体をリフレッシュ。五輪に向けて再スタートを切ったが「五輪の競技会場を東京から札幌に移転」という衝撃的なニュースが入ってきた。

 MGCで五輪本番とほぼ同じコースを走った中村にとって、コースの利を知るアドバンテージがなくなった形となったが「しっかりコースの特徴を加味して準備していくだけ。札幌も8月は気温が上がれば暑くなると思う。東京であろうが、札幌であろうが、気温は予想できないので、どんな状況になってもしっかり力を発揮するってことを考えて準備を進めていきたい」。

 当初は、来年元旦のニューイヤー駅伝を走り、一度体に刺激を入れる予定だったが、チームはまさかの予選敗退。開催地変更だけでなく、調整プランも崩れてしまったが「レースが一本なくなって特に何か大きな影響があるってわけではない。ただ、レースがなくなったので、どこかで何か走れたらなと思う」と焦りは見られなかった。

 今後は「マラソンは走らない。ハーフやロードレースを1本走りたい」。3月24日に行われる世界ハーフマラソン選手権については「要綱を見たら、五輪の内定選手を優先すると書いてあった。でも、時期が3月の下旬なので、8月にピークを合わせられるように慎重に選んでいきたい」と明言を避けた。