東京五輪組織委員会は11日、都内で五輪聖火リレーの採火式・引継式の概要発表会見を行い、日本人走者1号に2004年アテネ五輪女子マラソン金メダルの野口みずきさん(41)を起用すると発表した。

 来年3月12日、古代五輪発祥の地・オリンピア市で伝統的な「採火式」が行われる。野口さんはこの儀式の直後、同市内で行われるリレーでギリシャ人に次ぐ全体2番目、日本人トップとして聖火ランナーを務めることになった。

 思い出の地・ギリシャのアテネで金メダルを取った野口さんは「終わったと思っていた物語に、まだ続きがあるような感じ。ホントに感激で胸がいっぱい」と笑顔で語った。現在、東京五輪のマラソンは開催地の札幌移転問題で紛糾中。猛暑を懸念した国際オリンピック委員会(IOC)が一方的に決定したが、アテネ五輪のマラソンも相当な暑さだった。野口さんは「夕方6時スタートで気温35度の猛暑。命がけで走った思い出があります」と振り返った。

 さらに当時の思い出話は続く。アテネ五輪へ向けて「死に物狂いで走っていた」という野口さんは「1か月の走行距離は最高で1370キロでした」と明かすと、同席していた聖火リレー公式アンバサダー野村忠宏氏(44)もビックリ。しかし、周囲がさらに驚いたのは次の言葉だった。

「引退して、今はもう全然走っていない。1か月200キロいくか、いかないか。ちゃんと走れるように…」

 本人は“衰え”の意味で苦笑したのだが、いまだに「1か月200キロ」という事実には、隣にいた東京五輪文化パート監督を務める人気グループ「EXILE」のHIRO(50)も口をあんぐり。さすがはマラソン金メダリスト。日本人走者1号として、これ以上の適役はいないだろう。