五輪マラソン問題 小池知事 EU離脱問題と引っ掛け「合意なき決定」

2019年11月01日 13時43分

小池百合子都知事

 2020年東京五輪マラソン・競歩会場の札幌移転問題で、国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、東京都、日本政府による4者協議が1日、都内で開かれた。

 混迷する騒動はついに最終局面。IOC調整委員会最終日となった同日の正午、IOCのジョン・コーツ委員長(69)、組織委の森喜朗会長(82)、山下泰裕副会長(62)、東京都の小池百合子知事(67)、橋本聖子五輪相(55)ら各団体・組織の主要幹部が勢揃いした。

 鮮やかな紫色のスーツに身を包んだ小池知事は会議場に入室すると晴れやかな笑顔。各幹部と握手を交わしたが、協議がスタートすると厳しい表情に戻った。

 冒頭、コーツ委員長から「会場変更の決定権はIOCにあること」「経費は東京都に負担させないこと」などの確認事項を伝えられた上で発言を求められた小池知事は「それではスピーチしていいですか。それともイエス、ノーだけ言えばいいですか?」とやや挑発的に反応。

 すると、コーツ委員長は「すでに昨日(の実務者協議で)合意している」「1点1点を議論しようと思っているわけじゃない」と応戦し、ピリついた空気となった。

 そんな中、小池知事は「今でも東京がベストという考えは変わっていない。同意することはできないが、IOCの決定を妨げることはしない」と決定に従う意向を口にしつつも「あえて申し上げるならば『合意なき決定』でございます」とピシャリ。初めて正式に受け入れを認めたが、一連の欧州連合(EU)離脱問題に揺れる英国の「合意なき離脱」のフレーズと絶妙に引っ掛け、小池流の皮肉を交えることで「心までは許さず」という抵抗の意思を残した。

 また、今回の決定に関して小池知事に事前に連絡せず、IOCと密室で2者間合意をした“犬猿の仲”森会長は「小池知事はいろいろご苦労されて苦しまれたと思いますが、大英断された」としながらも「合意なき決定」の表現には「ヨーロッパではやった言葉でありますけど、そういう言葉が当てはまるかどうかは別としまして…」とチクリ。正面に座っていた小池知事は一切表情を変えなかった。

 なお、本来使用する予定だった都内のマラソンコースについては、五輪閉幕後に「セレブレーションマラソン」を開催することが提案された。