陸上の世界選手権(カタール・ドーハ)日本代表のメダリストが8日、都内のホテルで帰国会見を行った。

 男子50キロ競歩で金メダルを獲得し、東京五輪内定を決めた鈴木雄介(31=富士通)は「現地では実感は湧いていなかったが、帰ってきて多くの方々の輝いた笑顔を見せていただけた。本当に取れてよかったと思っている」と喜びを語った。

 20キロ競歩での世界記録を持つ鈴木。レース直後は20キロでの五輪出場にも色気を見せた。しかし、コーチと相談したからと前置きしながらも「今回(20キロの)山西(利和、23=愛知製鋼)選手も金メダルを取ったので、2人が同じ種目で金メダルを取り合っても日本の競歩界、スポーツ界にとってはデメリット。50キロで目指す気持ちを固めたに近い」と考えを述べた。

 五輪まで1年を切っているが「まずは今回の流れを意識して、コンディションをしっかり整えて、いつでもレースに出られる状態をつくっていきたい。まだ時間があるので、1段階、2段階レベルアップしてもっと強い鈴木雄介を五輪のスタートラインに立たせたい」と意気込んだ。

 同じく五輪行きを決めた山西は「レースの理想の形としてはもっといいものができると思っていたので、そこからすると少しふがいなさがあった」と喜びは控えめ。その上で五輪に向けて「今回やり切れなかった部分をどう詰めていくか。ただ勝つだけじゃなくて他を圧倒して勝ちたい」と力を込めた。

 男子400メートルリレーは37秒43のアジア記録で銅メダルを獲得したが、桐生祥秀(23=日本生命)は五輪での金メダル奪取に向けて「(米国の優勝タイム)37秒10以上じゃないと取れない。バトンパスやスタートを抜きにして、中間の走りをもう一段階上げないと走力で巻き返されてしまう」と気を引き締めた。