2020年東京五輪の日本代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)が15日、東京・明治神宮外苑発着で行われ、女子は優勝した前田穂南(23=天満屋)と2位の鈴木亜由子(27=日本郵政グループ)が五輪切符をつかんだ。

 やはり勝負の世界は分からない。「スローペースになるのでは」との大方の予想を覆し、先頭集団が最初の5キロを16分31秒と日本記録を上回るハイペースで通過した。予想外の展開に、約2キロ地点で優勝候補の一人、松田瑞生(24=ダイハツ)らが集団から遅れるなど序盤からレースが激しく動いた。 

 そんな中、前田が会心の走りを見せた。序盤から先頭集団をキープすると、「自分が行くと決めていた」と折り返し地点で独走態勢に入った。その後も長い手足を生かした走りで、後続を3分以上引き離し、2時間25分15秒でゴール。「不安なく自信を持って走れた。今後は五輪で金メダルを取れるように頑張りたい」と笑みを浮かべた。

 鈴木は前田の独走に対して「結構ハイペースなので、ついたら後半響くだろうなと思った。自分のペースを守る意味で離れた」とマイペースを貫き内定をつかんだ。ただ、タイムは2時間29分02秒と不満の残る結果になり「マラソンの怖さを知った。五輪では世界で戦えるように、気を引き締めて頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。

 序盤の失速が響いた松田は4位に終わり「まだ気持ちが落ち着いていない。いったん休んでから(今後について)考えたい」と話すのが精一杯だった。