五輪での雄姿はやはり…。陸上の世界選手権(9月27日開幕、ドーハ)男子マラソン代表の川内優輝(32=あいおいニッセイ同和損保)が21日、埼玉・越谷市で行われた東京五輪1年前イベントに参加。久喜市出身で10年間埼玉県の職員として働いていた川内は、集まった観衆に大歓声で迎えられ「戻ってきたな、という感じ」と笑顔を見せた。

 自身は出場しない東京五輪代表選考レースのマラソングランドチャンピオンシップ(MGC、9月15日)を一ファンとして楽しみにしているというが、まだ五輪に出場する道も残される。ただ、それには2019年度の国内主要競技会、MGCファイナルチャレンジで日本記録(2時間5分50秒)より速いタイムを出さなければならない。2時間8分14秒がベストの川内はこの日も「可能性は1%ぐらい」と語り、改めて事実上の“白旗”宣言。2年前に3秒差で入賞を逃した世界選手権に全精力をぶつけるつもりだ。

 川内といえば「あらゆるジャンルのマラソンを知りたい」と常々口にしているが、聖火ランナーへの思い入れはないのか。川内は「オファーがあれば考える。最近イベントは順調だが、競技力が追いついていないので…」と苦笑い。各方面から引っ張りダコという、人気者の宿命とも闘っている。