大事なのは、まとまりよりも個の力? 陸上男子短距離の桐生祥秀(23=日本生命)が5日、欧州遠征へ向けて成田空港を出発。6月の日本選手権で世界選手権(9月27日開幕、ドーハ)の切符をつかめなかった桐生は「今回は自分の走りをしっかりして、いいタイムでポイントを取れるように」と目標を語った。

 ダイヤモンドリーグ(20~21日、ロンドン)では400メートルリレーで、日本選手権短距離2冠のサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)を加えた“新生リレー侍”がお披露目となる予定。桐生は「ライバルだが、チームメートになったら心強い」と士気を高めた。

 今回はリオデジャネイロ五輪リレーで銀メダルの山県亮太(27=セイコー)、飯塚翔太(28=ミズノ)の両ベテランが不在。首脳陣は誰がリレー陣を引っ張るのか気にしているが、桐生は「僕は全く引っ張ろうとは思ってない。全員自由でもやることは決まっている」とコメントした。

 本人の性格もあるものの、そこは結果がものをいう勝負の世界。日本記録9秒97のサニブラウンを差し置きという思いもあったのか。リーダー不在ではバトン練習など連係面の不安も出てきそうだ。一方で桐生とサニブラウン、9秒台コンビがハマれば五輪金メダルも現実味を帯びてくる。果たして初レースはどうか。