“日本最速フィーバー”だ。陸上男子100メートルで日本記録の9秒97をマークしたサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が20日、日本選手権(27日開幕)に出場するため、米国から成田空港に帰国した。

 多くの報道陣に囲まれたサニブラウンは「お久しぶりです。1年半ぶりに帰ってまいりました」と話しながらも「実際、全然(帰国した)実感が湧いていないんですよ。(日本食に)飢えているので、とりあえずおいしいものが食べたい」と笑いを誘うなど終始リラックスモードだった。

 そんな中、日本選手権で“最速男”のレースを生で見ようと、早くもチケットが品薄状態になっているという。会場の福岡・博多の森陸上競技場はメインとサイド、バックスタンドを合わせて約1万5000人の収容が可能だが、日本連盟関係者によると「100メートル決勝が行われる27日のメインスタンドに関しては4000席がすでに完売していますので、当日券はその他の座席のみになります」と説明。200メートル決勝が行われる最終日(29日)もメインスタンドが完売目前のようだ。

 さらに同関係者は「先月行われた世界リレー後に一気にチケットが売れたのですが、ちょうどそのころサニブラウン選手が初めて9秒台を出していますし、日本記録を更新した全米学生選手権直後もお買い求めいただいているようです。これから数日間さらに売れることが予想されますが、前売り段階でここまで購入されることはなかなかありませんでしたね」と話しており、“サニブラウン効果”は絶大だ。

「今年は自分がチャレンジャーではなく、追いかけられる立場」と意気込む20歳のスプリンター。100メートル&200メートルの2冠、その先の世界選手権(9月27日開幕、ドーハ)と東京五輪にも照準を合わせた。