日本陸連は6日、都内で女子の「さいたま国際マラソン」(12月9日)の招待選手を発表し、2017年世界選手権代表の清田真央(25=スズキ浜松AC)、リオデジャネイロ五輪代表の伊藤舞(34=大塚製薬)ら国内外13人が名を連ねた。

 東京五輪代表選考会の「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(来年9月)の出場権が得られるレースの一つ。瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(62)は「オリンピック選手を発掘しているので(今大会に)ただ出るだけでは寂しい。次元の低いことは考えず、東京オリンピックを見据えて戦ってほしい」と“五輪”を連呼した。

 その理由を瀬古氏に聞くと「54年前、テレビで見た円谷(幸吉)さん(1964年東京五輪銅メダル)の走りは忘れられないからね」と東京五輪への熱い思いを切り出した。「あれを見て、マラソンって日本人を元気にさせ、勇気を与え、感動させる力を持っていると思った。円谷さんは命を懸けて日本のマラソン界のために走った。だからボクはそのストーリーをつなげていきたいんですよ」

 瀬古氏といえば、国際レース10勝という強さを誇りながらも五輪はロサンゼルス大会14位、ソウル大会9位と縁がなかった。「ボクが今の選手に伝えられるのは失敗の話。オリンピックでなぜ負けたか? 大舞台でどういうことをしたらいけないか。成功の話はQちゃん(シドニー五輪金メダルの高橋尚子さん)に聞けばいい。失敗はオレに聞けって感じだね」

 瀬古氏は東京五輪での日本勢の活躍を思い描いている。