7日のシカゴマラソンで2時間5分50秒の日本記録を樹立して3位に入った大迫傑(27=ナイキ)が10日、成田空港着の航空機で帰国した。

 日本実業団陸上競技連合から日本新の報奨金1億円を獲得する快挙に満足することなく、大迫はエリウド・キプチョゲ(33=ケニア)の世界記録(2時間1分39秒)に追いつくことをイメージした。「徐々にでも近づけると思っている。そういう気持ちを持ってトレーニングをしていきたい」と真顔で言い切った。

 原動力は世界で活躍する日本人アスリートへのライバル心だ。ロシアW杯のコロンビア戦でFW大迫勇也(28=ブレーメン)がゴールを決め、「大迫半端ないって」が流行したときは、自身のツイッターに「シカゴマラソンで決勝弾を決められるように頑張ります。俺は大迫傑だ」と投稿。サッカーの大迫と混同されたくない気持ちの表れだった。

 この日は投稿について「冗談半分だった」と振り返ったが、“半端ない関連”の質問にはライバル心がにじみ出た。

「大迫選手をはじめ海外でプレーする選手に刺激されたのも(2015年から拠点を置く)米国行きの後押しになった。サッカーだけでなくテニスや野球など、いろいろな競技からも刺激を受けているし、負けていられない気持ちはある」

 世界との差が顕著となっている男子マラソンにあって、大迫の気概は2020年東京五輪のメダル獲得へとつながるか。