【インドネシア・ジャカルタ30日発】ジャカルタ・アジア大会第13日、陸上男子400メートルリレーで、山県亮太(26=セイコー)、多田修平(22=関学大)、桐生祥秀(22=日本生命)、ケンブリッジ飛鳥(25=ナイキ)のオーダーで臨んだ日本が38秒16で快勝し、1998年大会以来20年ぶりの金メダルを獲得した。

 日本選手団主将でもある山県は「まず金メダルを取れたのはうれしい」と表情を緩めたが、メンバーに会心の笑顔はなかった。中国が持つ37秒99の大会記録には届かず、桐生は「悔しい部分もある」。多田は「個人的な走りとしては詰められたので満足いっていない。(バトンパスは)受けも渡しもけっこう詰まった感じがあった」と悔やみ、ケンブリッジも「もっともっと攻めていかないといけない」と反省の弁が口をついた。

 この種目は2016年リオ五輪で銀メダルを獲得しただけに、メンバーの視線の先にはあるのは20年東京五輪の金メダルのみ。20年ぶりVも通過点に過ぎない。

 男子50キロ競歩では勝木隼人(27=自衛隊)が4時間3分30秒で優勝し、来年の世界選手権代表に決まった。

 柔道勢は金メダル4個。男子73キロ級でリオ五輪金メダルの大野将平(26=旭化成)は決勝の死闘を制して初優勝し、日本勢3大会連続制覇を果たした。それでも「ここで一度でも引けば、東京五輪への道は閉ざされてしまうという気持ちだった」と話し、いつも通り平然とした表情。そんなエースの姿には、井上康生監督(40)も「闘う目、闘う姿を強烈に見せてくれた。まだ100%ではないが、闘うための本能は戻ってきている」と高く評価した。