20年ぶりの金メダル獲得を目指す日本のキーマンは――。3日に山梨・富士吉田市内で行われた短距離代表合宿で、日本陸連の土江寛裕五輪強化コーチ(44)は18日に開幕するジャカルタ・アジア大会の陸上男子400メートルリレーで、リオ五輪銀メダルメンバーの飯塚翔太(27=ミズノ)に代わって2走に多田修平(22=関学大)を起用することを発表。「スタート型のイメージがあるけど、直線のほうが味が出る」と多田を評価し、多田も「期待に応えないといけない」と気合を入れた。

 ただ、しっくりかみ合うかどうかはまだ手探り状態だ。1走の山県亮太(26=セイコー)は「飯塚さんと多田君の身長差からくる、手の違いがあります」と話す。185センチの飯塚に対し、多田は9センチ低い。声かけのタイミングも飯塚で慣れている分、わずかな感覚でも修正が必要という。

 また、3走の桐生祥秀(22=日本生命)との連係も万全とは言えない。桐生の3走は「ほとんどミスらない」(土江コーチ)ほど完璧。多田も「出てからの加速が全然違う。ちょっとでもミスるとバッと離される」と驚く。200メートルが主戦場の飯塚はスピードを落とすことなく駆け抜けたが、多田は逆のタイプで「前半型なので後半どうしてもバテちゃう。もともと2走っていうのは得意じゃないんですけど…」とやや弱気だ。

 桐生の持ち味を消してしまっては日本にとっても損失。多田は合宿中に自信をつかめるか。