暑さは苦手? 2月の東京マラソンで男子の日本新記録を樹立した設楽悠太(26=ホンダ)が来年9月15日に行われる東京五輪代表選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)に消極的な姿勢を示した。
 MGCは男女各3枠の五輪代表のうち2枠を決める最重要レース。しかし、すでにMGC出場権を得ている設楽は22日、埼玉・狭山市内で高級セダン「レジェンド納車記念式典」後に取材に応じると「正直走りたくないというか、そんな暑い中で走っても…」と渋い表情。

 MGCの狙いは8月開催の東京五輪と同じ気象条件で選手を走らせ、暑さへの耐性を試すことにある。日本陸連の高橋尚子理事(46)によれば、9月15日午前10時の過去10年の平均気温は27・8度だった。確かに8月に近いかもしれない。

 しかし、設楽は自身が好走できる気温を「東京マラソンぐらいですね」と主張。今年の東京マラソンは6度と低く、かなりの隔たりがある。設楽は無理してMGCに合わせるより、暑熱対策を進めながら残り1枠を狙うことも示唆。2019年冬以降、派遣設定記録を最上位で突破することが条件で「MGC取れなくても、まだチャンスがある」と話した。

 残暑の残る中で体力を消耗するレースで勝負をかけるより、自分が戦いやすい方法で代表権獲得を狙うのは一理ある。ただ、MGCを最高峰レースと位置づける日本陸連にとって“最速男”の動向は気が気でないものとなりそうだ。