4月から「シンクロナイズドスイミング」が「アーティスティックスイミング(AS)」に名称変更された。日本で定着していた「シンクロ」の改称には、さまざまな声が上がっている。

 改称は国際オリンピック委員会(IOC)から、ソロや混合種目では「シンクロナイズド(同調した)」の表現がふさわしくないとの指摘があり、国際水連が昨夏に決めた。4月30日まで行われたジャパンオープン(東京辰巳国際水泳場)はASに改称後、日本で最初に開催された主要大会だったが、日本代表の井村雅代ヘッドコーチ(67)は「愛着も何も…三十何年もこの名前(シンクロ)でやってきた」とやはり“違和感”があるようだ。

 出場選手からは「改称を知ったときにはもう決まっていた」「シンクロと言ってきたから慣れない」などといった戸惑いの声や「決定に従うだけ。しょうがないこと」との意見もあった。

 そんな中、混合デュエットの安部篤史(35=楓心舘ク)は「否定的な声は聞いたことがない。今まで培ってきた競技性は変わっていない。徐々に慣れるように発信していく」と前向きに受け止めている。相棒の足立夢実(29=同)も、自身が出場した大会のニュースなどに触れるたびに「こうやって浸透していくんだ」と改称を実感しているという。

 井村ヘッドコーチは新体制の日本代表メンバーの演技について「注目されている自覚がない。緊張感は想像していたが、早く覚えてくれないと時間が足りない」と危機感をあおったが、東京五輪まであと2年。「アーティスティックスイミング」の名前はどこまで浸透していくのだろうか。