【女子チームパシュート】予選2位の「なでしこ隊」に勝機

2018年02月20日 16時30分

引き揚げる(左から)高木美、高木菜、佐藤

【韓国・江陵19日発】金メダルの見通しは――。平昌五輪のスピードスケート女子団体追い抜き(チームパシュート)1回戦、日本は高木美帆(23=日体大助手)、佐藤綾乃(21=高崎健康福祉大)、高木菜那(25=日本電産サンキョー)の布陣で臨み、2分56秒09の2位で準決勝(21日)に進出した。スタートでつまずくアクシデントで五輪新をマークしたオランダの後塵を拝したが、その差はわずか。今季のW杯で3度、世界記録を更新した日本はスピード王国に勝てるのか?

 最初のコーナーで高木美が体を起こし、一瞬後ろを振り返った。原因はスタートの号令とタイミングが合わなかったこと。これにより2番手の佐藤が出遅れ、隊列が崩れた。

「私のミスで始まってしまった。最初の2、3歩で空回りして美帆さんのスタートに追いつくことができず、菜那さんも離れてしまった」(佐藤)

 序盤でスピードに乗り切れなかったが「その後、すべて1周28秒台でいけたのは自分たちの強みだと思う」(高木菜)。最終的には約0・5秒差まで詰め寄った。

 オランダの出した五輪記録は2分55秒61。エースの高木美は「やはり(オランダは)ここに合わせてきた。向こうは、本番に強いということは忘れてはいけないなと感じた」。

 今大会もメダル量産中のスピード王国は、高木美を抑えて1500メートルを制したイレイン・ブスト(31)ら、全員が個人種目のメダリスト。個々の実力では日本を上回る。

 一方、日本は「パシュートにかけてきた時間というのは、他のどの国よりも多い」(高木美)と一糸乱れぬ隊列、スムーズな先頭交代などのチームワークが武器。日本のエースは「悲観はしていない」と言い切り、決して自信は失っていない。

 今大会では広報として代表チームに同行するカルガリー五輪男子500メートル銅メダリストの黒岩彰氏(56)はこう見ている。「オランダと一時は2秒以上差があったところから、最終的には差を詰めた。ミスはあったけど、本人たちは気にしていない」

 1位通過と2位通過の違いは準決勝の対戦相手。日本は3位のカナダとの対戦となったが「ヨハン(デビット)コーチは『カナダでも(4位の)米国でもどっちでも良かった』と言っていた」(黒岩氏)。組み合わせはどうあれ、最後はオランダとの頂上対決(21日、決勝)だ。

 予選のミスで引き締め直せたのはむしろ好材料…ということ。女子の金メダル独占を阻止した500メートルの小平奈緒(31=相沢病院)に続いて、大和なでしこが王国の牙城に風穴をあける。