【カーリング女子】3連勝で首位・日本 猛娘ハート・藤沢五月らが秘めるドラマ

2018年02月16日 16時30分

ショットを放つ藤沢。左はリードの吉田夕梨花、右はセカンド鈴木夕湖

【韓国・江陵15日発】完全アウェーも関係なし! 平昌五輪のカーリング女子1次リーグ第3戦、世界ランキング6位の日本は同8位の韓国との接戦を7―5で制し、開幕3連勝。この時点で首位に立った。開催国の熱烈な応援にも、チーム最年長のリザーブ本橋麻里(31)は「カーリング場が盛り上がるのはうれしい」とどこ吹く風。強豪との対戦が続く後半戦に向けて、価値ある勝利となった。悲願のメダル取りへ、スキップの藤沢五月(26)らメンバーが秘めるドラマとは――。

 初戦の世界ランク7位の米国(14日)に続きこの日、朝の試合で同9位デンマークを8―5で下した日本の勢いは本物だった。韓国も朝の試合で同1位のカナダを破り、勢いでは負けていない。第1エンドで日本が1点を先制したものの、第2エンドでは韓国が2点を奪って逆転。一進一退の接戦が続いた。

 韓国の応援一色となった会場の雰囲気にも、多くの経験を重ねてきた選手たちはのまれなかった。サードの吉田知那美(26)は「失敗してあんなに『イエーイ』ってされることはあまりないので、もうミスはしないからねっていう気持ちの強さになった」。スキップの藤沢は「なんとなく『ニッポン』って聞こえたんですけど、気のせいですかね(笑い)。すごく楽しかったです」。アウェーの空気をむしろパワーに変えた。

 韓国が1点リードで迎えた第7エンドでは藤沢が最後に痛恨のミスで失点。終盤を前に2点を追う苦しい展開となった。それでも、第9エンドでは藤沢が名誉挽回のナイスショットで相手のミスを引き出して逆転。第10エンドではナンバーワンを守る作戦が奏功し、逃げ切りに成功した。

 本橋が立ち上げたLS北見にはさまざまなキャリアの選手が集まった。中部電力時代に日本選手権3連覇を果たした藤沢は「日本一のスキップ」と呼ばれてきたが、五輪とはなぜか無縁。「取材で『藤沢さんにとって五輪とは?』という質問を何度も受けたけど、出たことがないので分からない、答えようがなかった」。昨年、初の五輪出場が決まるとこれまでの思いをそう打ち明けた。

 3試合を終えたこの日、同じ質問をぶつけると「どの大会でもやることは変わらない。それが分かったから落ち着いてできている」。自らのミスに動じることなく終盤で取り返した。

 一方、吉田知は前回ソチ五輪に北海道銀行の一員として出場した。リザーブだったものの、インフルエンザで欠場者が出たため初体験のセカンドとして試合に出場。「緊張してシーズン最悪の試合だった」という初戦以外は貢献したはずが、帰国前に現地で翌シーズンの「戦力外」を通告された。失意の中で本橋に声をかけられ、LS北見に加入。サードのポジションを獲得しただけでなく、持ち前の明るさでチームを引っ張る存在となった。

 今大会は初戦から次の中国(同10位)との試合(17日)まで、いずれも世界ランクで日本より下位のチームとの対戦。その後の5試合は反対にすべて自分たちより上位のチームと当たる。

 準決勝に進む上位4チームに入るための正念場はまだこれから。「勝った負けたではなく、中身に集中して、次の試合はどうしようという話し合いがみんなでできている」(本橋)。勢いと冷静さを兼ね備えた日本のカー娘が、初のメダル獲得へと突き進む。