1500メートルの銀メダルから2日後、高木美帆(23=日体大助手)が2つ目のメダルを手にした。スピードスケートで同一大会複数メダルは長野五輪の清水宏保(500メートル金、1000メートル銅)以来、日本人選手2人目、女子では史上初めての偉業だ。

 得意の1500メートルで激走した疲労は残っていた。それでも、最初の200メートルを17秒66の好スタート。「18秒がなかなか切れなかったのでそこは評価したい」。その後もラップを落とすことなく「1500メートル以上にすがすがしいレースができたと思う」と振り返った。

 滑り終わった時点で見上げた電光掲示板に表示されたのは2位。「出し切ったと思った時に2番だったので、これでも届かないんだと思った。(金、銀メダルの)2人が速かったんだと思います」。金メダルはまたしてもオランダ勢が持っていった。

 最後のチャンスは姉の高木菜那(25=日本電産サンキョー)らとともに臨む19日からの団体追い抜きだ。今季はW杯で3度、世界記録を塗り替えるなど日本は圧倒的な強さを誇る。そしてライバルとなるのは、やはりオランダだ。王国勢の五輪での強さを実感しつつも「(オランダ勢が)いつもと違うとは感じていない」。3つ目のメダルは必ず表彰台の真ん中で受け取る。

【プロフィル】たかぎ・みほ 1994年5月22日生まれ。北海道出身。札内中3年で2010年バンクーバー五輪出場。今大会は3000メートルで5位、1500メートルで銀メダル。W杯個人種目で通算7勝。姉の高木菜も日本代表で、ともに団体追い抜きの主力。164センチ、58キロ。